【厚木市】七沢温泉「食の市」の奥に現れる隠れ家コンテナギャラリー「玻璃舎」で出会う、七沢石や再生ガラスを使った唯一無二のガラス工芸

神奈川県

七沢温泉エリアにある「青空と大地 七沢温泉 食の市」。その敷地奥にあるコンテナスペースに、2026年5月にオープンした注目のスポットがあります。

それが「玻璃舎(はりや)」です。

玻璃舎

“玻璃(はり)”とはガラスの異称。ガラスを意味する「玻」と、宝石を表現する「璃」、そして人々が集う場所という意味を持つ「舎(や)」を組み合わせて名付けられました。
厚木グラススタジオが手掛ける新ブランドとして、土日祝日限定のギャラリー&物販スペースとしてオープンしています。

玻璃舎

◆ 玻璃舎(厚木グラススタジオ ブランド)◆
場所: 青空と大地 七沢温泉 食の市(奥のコンテナスペース)
営業時間: 10:00〜17:00
営業日: 土・日・祝日限定(※アトリエ作業や搬出作業等による不定期休あり)
▶厚木グラススタジオのホームページ
▶玻璃舎のInstagram

玻璃舎

■ 職人の「手仕事」と工房の移転——若い世代へ受け継がれる技術

厚木グラススタジオは、妻田から「まつかげ台」へと工房を移転。現在は緑豊かなアトリエにて、職人による製造と土日限定の制作体験を中心に活動されています。

玻璃舎

かつて熟練の職人たちが築いてきた技術やビジュアルイメージは、しっかりと若い世代の職人たちへバトンタッチ。職人数も増え、伝統の技を守りながらも新しい挑戦を続けています。

玻璃舎

■ 地域資源の循環——50年の時を経て蘇る「七沢石」のカットグラス
玻璃舎の作品の中で特に目を惹くのが、深く優しいグリーンに発色した「七沢切子(ななさわきりこ)」です。

七沢切子

この神秘的なグリーンの正体は、着色料ではなく、かつてこの地域で採掘されていた「七沢石」そのものの色。
約50年前まで採掘が行われていた七沢石は、時代の流れとともに素材としての役割を終えていました。しかし、「地元の石を活用できないか」という地元の石材屋さんからの相談をきっかけに、石を粉末状にしてガラスに溶かし込む試みがスタート。石に含まれる成分がガラスと反応することで、添加物を加えなくても自然なグリーンへと発色します。

七沢きりこ

さらに特筆すべきは、その製造工程です。一般的なガラス工房と切子工房は分業制であることがほとんどですが、ここではガラス素材の製造から、地元厚木に住む80代の熟練江戸切子職人によるカット加工までをすべて自社・地域内で完結させています。
素材づくりから切り出しまで一貫して手掛ける「七沢切子」は、全国的にも極めて珍しく、まさにこの土地だからこそ生まれた唯一無二の逸品です。

玻璃舎

■ 完璧さよりも「手仕事のぬくもり」を。鮮やかな「再生ガラス」
玻璃舎が大切にしているもう一つの挑戦が、「再生ガラス」の展開です。

玻璃舎

通常のOEM製造や製品づくりでは、製造時に割れてしまった色のパーツや、ほんの少し泡(気泡)が入ってしまっただけで「規格外」として処分されてしまいます。ガラスは一度異なる色を混ぜると元の透明な壺には戻せないため、多くが廃棄になってしまうという課題がありました。

玻璃舎

そこで玻璃舎では、絵の具を混ぜ合わせるように、色とりどりの破片を一つの壺に溶かし込んで再利用。すると、様々な色が重なり合い、深みのある幻想的なブルーの発色へと生まれ変わります。

玻璃舎

完璧な均一さを求める工業製品では、細かな気泡や「みじんこ」と職人さんが呼ぶごく小さな粒状の表情(微小な不純物など)は弾かれてしまいがちです。
しかし玻璃舎では、それらも手仕事だからこそ生まれる一つの個性。「水の中に浮かぶ小さな景色」のように楽しんでほしいという想いから、温かみのある味わいとして作品に活かされています。

玻璃舎

七沢温泉ドライブや「食の市」へお越しの際は、ぜひ奥のコンテナに足を運んで、一つひとつ表情の異なるガラスの魅力に触れてみてください。

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