本厚木駅周辺から車で22分、鳶尾に「つどいカフェもりや亭」があります。国道412号線を愛川方面へ進み、鳶尾団地入口交差点を右折、ユーコープ鳶尾店斜め前、角の花屋を曲がり直進するともりや亭の看板が左手に見えてきます。
もりや亭は、地域の方々の寄り合い処になっています。店主の森屋由美さんが、人と人とをつなぐのが上手で、その場にいるとみんな友達のようにお話が自然とできてしまいます。とてもアットホームな温かい場所です。
2024年7月12日~9月28日まで、もりや亭で現在行っている企画展をご紹介します。
◆佐藤政美・心の風景 油絵の展覧会◆
開催期間:2024年7月12日(金)~9月28日(土)
もりや亭寄合所開催日:金曜・土曜 12時〜16時30分
もりや亭のギャラリーで、会期中に90歳を迎える厚木市中依知在住の佐藤政美さんの油絵の絵画展を開催しています。九州の大分県大分市出身で、油絵はすべて独学だそうです。
幼少期、写生会で大樹を描き「特選」受賞し、絵を好きになり、高校生の頃より、油絵を描き始めました。今回の展示作品は70代から描きためたもの30余点が展示されています。
佐藤さんは、幼少期、踏みかためただけの舗装されていない道に釘で絵を描いていたそうです。「絵、上手だね」と近所の大人に、褒められ、天気のいい日は毎日その釘で絵を描いて、描く絵はいつも、軍用機。赤い二枚羽の練習機、近くの飛行場の風景。
当時、手にする絵本は軍用機や軍艦、戦車が掲載されていたので、描く絵もそんな絵ばっかり。
幼少期の政美氏は、どちらかというと、物静かで、野を駆け回ったりせず、絵に向かい、近所では目立つ存在の男児であり、国民学校と呼ばれた小学校へ上った頃、高価な紙にやっと絵を描く事ができました。小学高学年で水彩を始め、中学生の頃は余り絵は描かず。
高校に入る頃から、当時活躍していた画家の影響もあり、絵画道具を譲り受けた事がきっかけとなり、油彩を始めることになりました。
今年、亡くなった奥様は絵に対する評価は手厳しかったのか「あんた、そんなのよしなさいよ、みっともない」と、叱咤激励の応援をされていたようです。かけがえのない素敵な奥様だったのだと思います。
建物は、九州の大分に住んでいた子どもの時代から赤レンガの建物が大好きで、赤レンガの建物を探し好んで描いていたそうです。
15年ほど前に、横浜から厚木市へ移住し、厚木は自然豊かな面と幹線道路の完備で住みやすく、好きな街になったそうです。「厚木で温かい人間関係が出来、年老いた今が一番輝いているのではないかと感じている。1年でも、半年でも、3か月でもいい、長生きしたい。」との佐藤さんのコメントを見ると胸が熱くなります。
尾瀬はいいところだと、絵を見ながらお話してくれます。
佐藤さんの絵が素敵で、画家かと思っていたら、サラリーマンの傍ら趣味で絵を描いていたそうです。娘さんは、小さい時からお父様のを見ながら育ち、常にそばには絵があったそうで、お父様の絵がとても大好きだそうです。
行く先々に画材道具を持ち歩いて、絵を描いているそうです。こちらは、水彩画で娘さんとお孫さんが遊んでいる風景を描いています。写真ではなく、絵で思い出を書き留めているように感じます。
北海道の絵も多く描かれています。奥様が北海道室蘭市の出身であり、室蘭、札幌、苫小牧と奥様の兄弟、姉妹が住んでいたので、結婚した当初は室蘭幌別という美しい町で夏、冬を過ごしたそうです。
佐藤さんが、絵の解説をしている姿は、本当にイキイキしていて、笑顔が素敵です。お話の中で、その時の場所の説明や、この影が素敵で描きたかったや、この周りには、こんなお店があって、昔はこうだったなど、よくその時の情景を覚えていて話が止まりません。
こちらは、佐藤さんの画材道具です。この絵の具の重なりが、人生の積み重ねのように感じます。きれいなパレットではなく、これが一番描きやすいそうです。油絵のオイルの匂いが好きです。
もりや亭寄合所開催日には、佐藤さんがいらっしゃる時もあると思いますので、ぜひいろんなお話をして、自分もこの場所知っているというところから、実は私の方が絵から得られる情報によって思い出に浸れたり、子どもの頃を思い出したり、その時の気持ちを思い出したりと、ずっと観ていられる絵画展になっています。
もりや亭では、ランチもお茶もありますので、休憩やお話をしながら絵を見に行ってみませんか?
つどいカフェ もりや亭では、正午~16時半まで、お茶とお菓子で 200円です! 居心地の良い場所でおしゃべりして息抜きをして帰れますよ。ぜひ足を運んでみてください。